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釣行記 2014年4月27日 日曜日
山形県 蔵王の源流
初めての源流 天然イワナを狙う

さて、遠征2日目は、いよいよ蔵王付近の源流です。

6時に出発。
まず、初日川虫を捕った場所でエサの調達です。

ところがこの日は思うように虫が捕れません。

せんばさんが、ちょうど居合わせた地元の釣り人に聞くと・・
やはり虫が捕れないとのことでした。

GW真っ只中。
良い天気なので釣り人も多いようです。

いくつかの虫捕りポイントを回りますが、やはり先に捕られてしまったようです。
ま・・ これは仕方の無いことですね。

予定時刻を30分程過ぎて、ようやくギリギリの匹数を集め、
蔵王方面に向います。


さて、釣りですが・・
源流は川自体も小さくなるので、先行者が入ると難しく、
竿が出せるところも限られ、そういうところは誰もが狙うため
なかなか竿抜けが出来ないようです。

川虫を揃えるのに時間が掛かってしまったことは、
時計の針が進んでしまったこと以上に、この点が痛いと思われました。


車は主要道路を逸れ、小高い集落の細い道を進んで行き、
やがて民家も無くなります。

道は更に細くなり、切り立った崖は所々崩落した形跡があって
ちょっと怖い感じがします。

日が当らないところは当たり前に、日向にも所々雪が残っていました。

崖上のちょっとしたスペースに車を止め、支度をしていると・・
せんばさんが、さっかさんと私の背中にスズを付けてくださいました。

このスズのお世話にはあまりなりたくないですね。
いや 絶対にご免です(怖)。

そこからは徒歩で入渓ポイントに向います。

せんばさんは、今回の遠征でまだ魚を釣っていない私の面倒を見るべく
今度は私に同行してくださいました。
同行というより先導ですね。

流れの脇に茂る木々や崖が釣りの邪魔だけでなく
釣り人の進入そのものを阻んでいます。

流れの中を歩こうにも、所々深みがあり、水圧もかなりありそうです。
さすがに里川とは勝手が違いますねぇ。

でも 雰囲気バツグンです。
人生の中で、このようなところに身を置くことがあろうなどとは、
考えたことすらありません。

景色を見るだけで感動の連続です。

ここでは完全にちょうちん釣りになります。
5.3メートルの渓流竿に仕掛は全長2メートル程。
一ヶ所一ヶ所 竿を伸ばしてはたたみ・・
仕掛を仕掛巻きに納めなくてはなりません。

場所によっては竿を半分だけ伸ばしての釣りになります。


先を歩くせんばさんが立ち止まり、私に道を譲ります。

目の前に広がる絶景に息を呑みます。

幅1メートルも無いような滝から勢い良く水が落ち・・
相当強いと思われる水圧が、広くて深い淵を作っていました。

写真ではわかりづらいのですが、滝が落ち込んだ下の水は濃いブルー・・
この濃いブルーと真っ白な泡のコントラストが実に美しい!

淵の水は深いグリーンで、これも表現する言葉に困るほど美しいのです。

美しいだけでなく、私にもわかるくらいの、絵に描いたような絶好ポイントです。


部屋に飾りたくなるような素晴らしい景色

せんばさんから仕掛の通し方を教わり、一振り・・

入れた瞬間にズドンッと来そうです。

ところが、手の届く範囲を隅々まで10回くらい振り込んでもアタリは有りませんでした。


滝下や淵をくまなく探ったが・・

ここは小場所で、このような素晴らしいポイントが2ヶ所有ったのですが
ことごとくアタリが有りませんでした。

せんばさんによると、「居ればすぐ来る」ということだったので
恐らく先行者に釣り切られたのでしょう。

粘っても仕方無いので、次です。


さっかさんと合流しますが、さっかさんもアタリ無しとのことでした。

移動・・


今度は堰堤ポイント。
「渓流釣り入門」という本を買えば、絶対に出てくるポイントです。

ここも私にやらせていただけるとのこと・・


教科書通りのポイント 広い深みは魚の宝庫?

ただし、ここからせんばさんとはお別れで1人での釣りになりました。

でもでも写真をご覧ください。
いないはずが無いポイントだと思いませんか?

皆さ~んお待たせしましたぁ
いや~ も~ 獲ったも同然でしょう!

かなり広い深みのポイントで、これはルアーでもいけそうです。
何匹かいても全然おかしくないです。


しかし・・
ここはちょっと粘ったのですが・・

魚は1匹もいないことがわかりました。
勿論私の未熟さはありますが、ここには魚はいなかったと言い切ります。
そうさせてください・・

釣りをしている時も崖の上を車が断続的に2台走って行きました。
次から次へと釣り人が入って来ているようです。

地元の先輩師でしょう。
この場所は首都圏に住む人が探して見付けられるとは思えません。

こうなると、ちょっと厳しくなります。


下の写真は・・
ギュッと絞り込まれた流れが、写真の右下から左上に走っているのですが
写真奥にはこれまた教科書ポイントがあります。

このような場所をいくらやっても結果は出ませんでした。


この流れの先にも好ポイントが・・

ポイントと思しきスポットははたいへん豊富です。
しかし入れない所も多々ありました。

目線の先に「ここぞ」というポイントが見えるのですが、行く手を遮られ、
崖上に上がって進まなければならない所もあります。
しかし、一旦上がってしまうと、危険過ぎてそこには下りられません。

この状況だと、そういうところに入らないと魚には会えない気がしましたが
ロープ等が無いと厳しい感じです。
安全を優先し、こういうところは断念しました。

でも、そういうところにも当日のものかどうかはわかりませんが
先行者の足跡が残っています。

こういう人たちに釣り勝つのは難しい・・
いや、そんなつもりはサラサラ無いのですが、せめて1匹・・
1匹でいいから分けてもらえないか・・

そんな思いで、釣り歩きます。

一級ポイントには魚がいないことは大体わかりました。

こうなったら二級ポイント、三級ポイント・・ なんでもありです。
水があるところ全てがポイントです。


この開き直りが良かったか・・

下の写真をご覧下さい。
左から張り出した洲があります。
ここに立って、対岸(写真右側)にポチャポチャ仕掛を入れていきました。

水深は深いところでも30センチ程・・
それでも手前(写真左側)の倍くらいあります。

スイベルを使ってハリス約50センチを結んでいたので
この状況だとエサが水面近くまで巻き上げられてしまいます。

なので針の上20センチくらいのところにガンダマを追加しました。
流される仕掛に竿先でブレーキを掛けながら流します。

そして、その時が来ました・・

テンションの掛かった状態で目印が突っ込みます。
釣れる感覚から遠のいていたので、半信半疑で合わせてみると!

ギュンギュンっと、すっごい躍動感が伝わります。

心臓が飛び出しそうです。
半分、いや9割方諦めていたのに・・
しかもこのようなところで・・
こんなに接近戦で・・

いや~ ホント何があるかわからないですねぇ!

デカいっ!


ヒットポイントの様子(事後撮影)

立ち位置とヒットポイントが近いので、少し楽観していましたが
魚が流芯に乗ってしまい、かなり不安になります。
絶対にバラしたくない!
これをバラしたら、絶対に次は無い・・

その一瞬・・
この魚に対する思いはMAXで、私の中で過去に釣ってきた全ての魚の頂点に
いたことは間違いありません。

魚も結構良いサイズですが、その魚体が流れを受けて重~くなります。
変に暴れられたら、即アウトだと思いました。

「頼む 行かないでくれっ!」

写真の立ち位置を少し奥に歩くと更に川幅は狭くなるので、
流芯に入ったままだとかなり厳しいのですが、悪いことばかりではありません。

あろうことか・・
魚が手前に走ってくれたのです。

流芯から少しでも逸れてくれればこっちのもの!
手前に走る魚の泳ぎを手伝うように竿を立てます。

ここで反転されると元も子も無いのですが、素直な魚です。

新調したネットを腰から抜き・・
ちょっと慌てて不恰好だったと思いますが、魚にネットを被せ、
川底ごとえぐり取るようにすくい上げました。
なり振りかまっている場合ではありませんでした。

「いぃ~ やったぁ~っ!!」

値千金のイワナです。

ネットに納まった魚を見た時、嬉しいというより、率直に「ありがとう!」でした。


ついにやりました! 源流の天然イワナ!!

しかもデカいっ!

昨年釣り上げたイワナと同じかそれ以上あります。

何と言っても諦め掛けた時にコレです!
堪りませんよぉ~・・

いや~ 生きてて良かったぁ!(はしゃぎ過ぎ?)

イワナは撮影した後、腰に付けたクーラービクへ・・


約束の時間までまだ少し有ります。

こうなると同じような条件やそれ以上のところは無数にあります。
まさに竿抜けの釣りというのを体験できたのかな・・

こんなところにもいるかも知れない・・

なんてあちこち仕掛を入れますが、以降魚の反応は無く
待ち合わせ時刻となり、一旦竿を納めました。


同じような条件の場所は多々有り

さっかさん、せんばさんもそれぞれ1匹ずつゲットしたようですが
さっかさんは、もうひとつ掛けながら頭上の枝にラインを取られ、あえなくサヨナラ。

せんばさんは私たちより高いリリース基準を独自に設定されているためリリース。


さっかさんのご厚意で、24センチくらいのイワナをいただき、私のお土産となりました。

さっかさん ありがとうございます。


さて、泣いても笑っても山形の渓流最後のポイントです。

ここは上流部に萱滝という名勝を控える流れです。
下から滝を見てやろうと、釣り上がりコースを選択します。


最後のポイント この上には萱滝という滝があります

全体的にフラットな渓流で、岩も少なく歩きやすいのですが
その分、魚の付き場も乏しい感じがしました。

しかし、これまでの渓流とは違って人の姿をよく見かけます。

山菜採りの人たちのようです。

イワナが1匹釣れた余裕からか、釣りはあまり出来ないながら
気持ちは滝に向いていました。

30分くらい釣り上がると・・
せんばさんが「3つめの滝」と言っていたところに行き着きました。

滝の下は大きな淵が出来ていて、絶対イワナいるぞっ!
と思われたので、大事に大事に端の方から攻め始めます。

長い倒木が滝を守るように横たわっていたので
ダイレクトに滝下へは振り込めません。

かと言ってあまり近くまで進んで立ち込むと
魚は下へ逃げていってしまいそう。

苦肉の策・・
バス釣りのスキッピング風にサイドキャストで倒木の下へ・・

何投かはうまくいきますが、ここでもまったくアタリはありませんでした。


この日一日を通じ、一番思ったのはGWの源流釣りの難しさです。
管理され、放流も行われているところでは違った結果もあるかも知れませんが
源流に一日に何組もの釣り人が入るとなると
やはり最初の一組のアドバンテージは計り知れないと感じました。

それでも地元の人は、せんばさん同様 かなりキープorリリースの
基準が厳しいようで、自主的にこの掛け替えの無い資源を保護しています。

更に釣り上がろうとしますが、増水の影響でしょうか・・
経路が見つからず、一旦崖の上に出ますが、今度は下に下りる経路が無く
あえなく断念・・

ここで釣りをやめ、下りていくことに決めました。

この滝・・
自分の滝下に好ポイントを作り、釣り人に対してそこでの釣りは許すが
ここから先は通さないぞ・・

と、いうような威厳がありました。


滝下の深みは絶好のポイントだが・・

下りる時は釣りをしなかったので15分くらいで、エントリーポイントまで戻れました。

同じタイミングでさっかさんが上がっていました。

アタリ無しとのこと。

途中せんばさんと会ったらしいのですが、せんばさんはもう釣りを終えていたとのこと。


と、いうことで、全員が渓流の釣りを終えました。

私は3つの滝の一番下流の小さな滝に行く手を阻まれ、
その滝しか見ることは出来なかったことを話すと・・

それでは! と、せんばさんが滝の本体を見せてくれました。

車で山道を登っていくと・・

駐車場や売店などがあるスペースが有り、石碑もありました。

展望台なるものはありませんが、そこから崖を覗き込むように
人ひとりが歩けるような林道があり、滝の全容を拝むことが出来ます。


萱滝

柵や手すりのようなものは無く、ちょっと怖い気もしましたが
際まで行ってみると、空気の温度が2~3度下がったように感じました。

せっかくなのでせんばさんに写真を撮っていただきました。

この日は気温が高く、私は後半から半袖1枚で釣りをしていたのに
結構な汗をかいていたので、このヒンヤリした空気はたいへん心地良く感じました。

マイナスイオンも深呼吸です。


萱滝を挟んでさっかさんと記念撮影

これで山形遠征渓釣りの部はすべて終了となります。
さびしぃ~・・

昨年の渓流とはガラっと変わり、景色だけでなく、釣り方や歩き方など
まったく別世界だと感じました。

いずれにしても、渓流を歩くことは楽しい要素が盛りだくさんで
本当に面白いですねぇ。
次々と感動が押し寄せ、いるだけで興奮してしまいます。

文中にもありますように、今回 魚には会えないと思っていた中で、
手にしたイワナは値千金・・ 感無量です。

釣り場を大切にしている地元の人と、
両日ともサポートに徹してくださったせんばさんに感謝・・

そして、1年振りにやって来た釣り人を迎え入れ、
最高のお土産まで持たせてくれた山形の自然に感謝します。


いや~ 釣りってホントにいいもんですねぇ~


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