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カブト虫の飼育と観察
どうしてもカブト虫の羽化を観察したい 1

カブト虫の羽化を見てみたいと思わない人はいないはずです!?
でも、実際には上の写真のようなシーンを目の当たりにしたことがある人は少ないのではないでしょうか。

カブト虫の飼育に失敗するケースとしては、以下のようなパターンが多いと思います。

1.成虫を飼っていて産卵までしたが、幼虫がいつの間にか死んでしまった。
2.せっかくさなぎになったのに成虫になる前に腐ってしまった。

「1」について・・
幼虫は基本的に飼育ケースの大きさと幼虫の数を考慮し、適切な環境下に設置したら、あとは水分の維持と飼育マット(エサ)の更新・交換以外にはあまり手を出さず、放って置くのが一番だと思います。
栄養が少ないと小さな個体になりますが、最近ではブームのおかげでシーズン外でも飼育マットの入手が容易です。
魚やハムスターなどのように、エサのやり過ぎで死なせてしまう心配はありません。
野生の幼虫を捕まえてくる場合は、定期的にその場の土を持ってくるのがベストだと思います。
これだけでさなぎになる確率はグーンとあがるはずです。

「2」について・・
幼虫はさなぎになる時、土の中に蛹室という楕円形の部屋を作ります。
自分の周りの土を信じられないほど硬く固め、その空間の中で成虫になるまで過ごします。
オスはあらかじめツノの長さを計算して部屋を作るようです。
さて、「さなぎを見てみたい!」と思うのが人情・・土を掘り起こし、さなぎを手にとってみたことがある人も多いのでは?
問題はこの後です。硬い蛹室にはそれなりの意味があります。
掘り起こしたさなぎをそのまま埋め戻した場合、ほぼ100%死んでしまいます。
早く成虫にならないかなーと、再び掘り起こした時はすでに腐っていた・・
なんていうことになります。

※「1」「2」とも詳細については専門サイトの情報を参考にしてください。

では、どうやって上にあるような写真を撮影したのか?
以降にて管理人なりのやり方を紹介します。あくまでも自己流です。
失敗の責任は負いかねますので、ご了承ください。

どうしてもカブト虫の羽化を観察したい 2
簡単に言いますと、人間の手で蛹室を作ってあげるということになります。
ただし、これをやるにはさなぎの生命を100%背負う覚悟が必要です。
それを知った上で、なおも羽化が見たいというのは人間のエゴ以外の何ものでもありません。
万全の心構えで望みましょう


管理人の人工蛹室の作り方は、上の写真のようにプランターを活用します。
適度な湿り気を持たせた土で土手を作り、十分な広さと高さ(深さ)を確保し、部屋割りをします。
崩れにくい土選びが重要です。
部屋ができたら、部屋の環境を維持するためにふたを用意します。
これはホームセンターで入手できる、園芸用の発砲スポンジがグッドです。
正式な名称はわかりませんが、写真左下に写っている緑色の物体がそれです。
安価で入手でき、加工が容易で水分を保持する材質なので、人工蛹室のふたとして申し分ありません。


さて、蛹室に引越していただく時期です。
地域や環境によりますが、管理人宅では5月後半から6月ごろに幼虫がさなぎになる兆しがあります。
動きが鈍くなり、真っ白な体が少し茶色く変色してきます。
このころはもうエサを摂らないので、引越ししてもらってもいいでしょう。
さなぎになってからでも、もちろん大丈夫です。
さなぎを傷つけないように、注意深く移します。



ツノが曲がったりしないよう、十分な高さ(深さ)を確保します。
毎日観察して、水分や害虫などをチェックします。
土手が崩れていたら即修復します。
思った以上にさなぎは動きが激しいです。


羽化する前にさなぎの色が黒っぽくなります。
もう少しで待望の羽化シーンを見ることができます。観察を続けましょう。


写真では見づらいですが、さなぎが次々に黒くなっていきます。
いつ羽化してもおかしくない状況です。


管理人は羽が白いカブト虫をどうしても見たかったので、これがベストショットです。


同じ個体ではありませんが、タイミングがちょっと遅れると、白い羽はすぐに色付いてしまいます。
でもここまでくればもう一安心です。
この時点で成虫用の飼育ケース、飼育マット、エサの用意ができていなくてはなりません。
このままだと羽化していない他のさなぎに傷を付けることも考えられます。
また、羽化直後の成虫はしばらく土の中で休みたいようです。
互いに傷付け合わぬよう、多めの飼育マットで休ませてあげましょう。


立派なツノを持った大型の成虫です。
メスは成虫になったら早期に逃がします。
体が硬くなり、エサを摂るようになるとすぐに交尾をします。
管理人宅のカブト虫は同じ親から生まれた可能性が非常に高いので、念のため。
頃合を見計らって、野生の丈夫そうなメスに来てもらいます。


8月にはもう、飼育ケースの中に幼虫がいます。写真は9月撮影の幼虫です。
まだ黒っぽいですね。


10月になると、すっかりカブト虫の幼虫らしくなっています。


上の3匹の幼虫を撮影した同じ日、10月初頭にまだ生きていたオス。
人工蛹室で羽化したカブト虫でもちゃんと飼育できれば、まったく問題ありませんね。
そして、次なるテーマは、「屋内で羽化を観察する」です。
どうしてもカブト虫の羽化を観察したい 3
カブト虫が好きで好きで、いつも身近に置いておきたい人や、住宅事情などで、室内でカブト虫の羽化を観察したい人は、以下に紹介する方法も参考にしてみてはいかがでしょうか。
前項で紹介した技術(?)を応用して、土の変わりに園芸用の発砲スポンジを使い、人工蛹室を作ります(前項ではふたに使用していた材質です)。


外観はこんな感じです。
用意する物は、手ごろな大きさの飼育ケースと、前述のスポンジだけです。
道具はスポンジを切るのに使用するカッターナイフだけになります。
このスポンジは優れもので、カッターでスーッと引くだけで、簡単に好みの形に裁断することができます。
もともと草花を挿して立てるための物のようですので、水分の保持力が強く、濡らしても硬いまま形状を維持します。


前項では土を固めて蛹室を作りましたが、今度はスポンジで作ります。
ツノが天井に当たらないように十分な深さを確保します。
水は直接さなぎにかけないように、プラスチックケース側から注ぎ、蛹室内部が少し湿るようにします。
あとは、前項同様、注意深く観察し、来たるべく羽化の瞬間を待ちます。


管理人は勤務先からの帰宅が深夜になることが多く、タッチの差で羽の白いカブト虫に会うことができませんでしたが、この方法も初挑戦にして大成功でした。

以上、管理人としてはかなり独創的な実験かと思いきや、Web上では類似した方法がたくさん紹介されていて少々ガッカリです。
でも「人工蛹室」という言葉が一般的だったことにはさらにビックリです。

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