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愛艇 「サスケ」との別れ


当サイトの「プロフィール」でも紹介していますが、管理人はもともとバス釣り専門でした。
バスにノメリ込み、安月給の小遣い制なのに、無謀にもローンを組んでボートを買ってしまいました。

それも7年以上前のこと。

ローン支払いのため
毎日のように浴びていたアルコールもグッと控え、もっぱら家呑みに徹することに・・
しばしば呑み仲間や上司からはクレームも頂戴しましたが

「ボートのためだ」

と、ただただひたすら我慢(お色気も出世も放棄?)


愛艇「サスケ」

でも
週末は・・

ひろーい湖や川が全て私のものに!
暖気運転を兼ね ポイントへ向かう・・

それまでは陸から指をくわえて見ているだけだったボートならではの舞台・・
「目からウロコ」というよりまったく別世界がそこには拡がっていました。
釣りだけじゃなく、ボートを操縦することそのものが快楽でした。

自分の一番好きなことはバス釣り
二番目に好きなことはボートで湖面を走る

このふたつを一度に味わえるボートでのバスフィッシングは、まさに夢のような世界でした。
お恥ずかしいのですが、実に満足そうな顔ですよねぇ・・

ご満悦の様子

12フィートのVハル型アルミ艇は非常に軽く、これにマーキュリーの10馬力エンジンを
積んでいるので、全速力でのスピードは想像以上に速く、プレーニング時には波の上を跳ねながら
滑走する感じも味わうことができます。
ポイントからポイントへの移動もアッと言う間です。

マーキュリー SEA PRO10 速いっ!

波を蹴散らし ポイントへ直行

装備はエレキモーターと魚群探知器
エレキモーターはエンジンに次ぐ第二の動力です。
バッテリーで動作する電気モーターです。
長距離の移動はエンジンの強大な動力を使用しますが、
ポイントへ近づいたらエンジンを停止し、エレキモーターで静かに移動します。
写真にある黒いペダルひとつで、進行方向や推進力を自由に調整できるので、
両手は100%釣りのために使うことができます。

ペダルを操作しながら、ポイントの様子を見たり、魚探の画面を見て
いろいろ考えながら、手を決めていきます。

海釣りと違って魚探の役割は魚群を探すことではなく、主に水中の様子を把握することです。
底質が固いのか軟らかいのか・・地形はどうなっているのか・・水深は・・水温は・・・
などの情報を確認し、あとは自分で魚のいるところを推測するのです。

サドルによりかかり 魚探を見ながらペダルを操作

イメージができたら次は実践です。

ボートだとタックルもたくさん積載できます。
オカッパリだとロッドは1〜2本持ち歩くのが精一杯ですよね・・
ゴルフクラブではないですが、思い立ったらすぐにアクションできるよう
いくつかの状況を想定し、事前に準備しておくことができます。
ズラッと並べたタックルを状況に応じて、次々と持ち替えます。

いつでも どれでも 出動可能







ボートのおかげで釣り場も増えます。

まずは河川の写真です。
ボートから上流を臨む構図ですが、いかにも釣れそうなところがたくさんあります。
でも釣り人の姿は皆無・・

入って来れないんです。
ここはボートでしか釣りができません。
体育会系のノリでフローターもアリかも知れませんが、きついと思います。

延々と続く河川のオーバーハングも・・

そんでもって霞ヶ浦 国内第二位の水面面積の湖です。
水平線すら見える広大な水域・・
沖側ではボートが無ければ釣りはできませんが、ボートでさえロッドを振るのを躊躇するほどです。
さらに魚探が無いと歯が立ちません。
ボートでもほとんどは湖岸寄りでの釣りになりますが、エンジンの機動力がないと気の遠くなる世界です。

水平線さえ見える広大な湖も・・ 

そしてそして・・
陸からは探すことができない「秘境」も沖からだと見つけることができます。
大場所からエレキモーターを微妙に操作し、葦の切れ目からザクッと入り込むと・・
その奥にはこんな場所があったりします。

陸からは近付けないジャングルも・・

魚に対して、またはオカッパリに対して、これだけのアドバンテージがあるわけですから
もし釣れなかったら明らかに「ヘタクソ」って自分であきらめもつきますし、

あきらめがつかない場合は、サッと移動し、まったく別のシチュエーションで再チャレンジできる
ところもボートならではですね。

オカッパリとボートフィッシングの比較はある意味ナンセンスなんですけど・・

無理してでもボートを手に入れたことで、釣りに対しての概念が劇的に変わりました。


これは釣りのみに範囲を限定することではなく、生活そのものにも少なからず影響していたとは
間違いありません。







何か物足りないと思ったら・・

そうです 遊んでくれた魚たちを紹介していませんでした。
この場で一部紹介させていただきます。


ボートを購入した当初はもっぱら霞ヶ浦水系がメインだったのですが、
後半は自宅から近い河川がお気に入りのフィールドになりました。
ここの魚は魚体が非常にがっちりしていて、そのパワーに惹かれたのです。
どれもこれもまるでラガーマンのような体つきで見掛けに反することなく、
その猛烈なファイトは霞ヶ浦のバスをはるかに凌駕するものです(はい、おおげさです)。





バス以外にも川にはいろいろな生物がいて飽きません。

珍しい生物を発見して興奮したり・・
見慣れた生物の意外な行動に感動したり・・
生物本来の姿に心を癒されたりします。

岸から水辺に出ようとすると難しいのですが、沖からのアプローチだと、
興味深いシチュエーションに遭遇するチャンスがグッと増えます。

いろいろ見てきましたが、ボートに絡んだ出来事として
ほんの一例を・・

【カメ】
野生のカメはボートが近づくとササッと走り、水中へ姿を消します。
思わず「今の ホントにカメ?」と思ってしまいます。
その動作はペットショップにいるウサギよりはるかに素早く、野生の力を感じます。

【ボラ】
これはコワイですねぇ
エンジンの波動に反応するのでしょうか・・
全速力で走っていると、突如水面付近をロケットのように走り回ります。
そして水面を割って飛び跳ねます。
それも群で同時にこのような行動をとります。
霞ヶ浦ですと魚の大きさは50センチくらいがアベレージだと思います。
何がコワイかって・・
こちらも全速力で走ってますから出会い頭に衝突しようものなら・・(怖)。
実際に船内に飛び込んできたことがあるんです。

【カワセミ】
これはビックリするほどよく見かけます。
「幻の鳥」的なイメージだったのですが、普通に飛んでますし、
意外にもボートで結構なところまで近づいても逃げません。

【カゲロウ】
ある梅雨時の早朝のことです。
ボートのエントリーポイントへ着くと、あたり一面に白いものが舞っています。
その数 数億? いや数百億? まるで雪のようです。
その白いものの正体は・・カゲロウの仲間?
未明に一斉羽化したのでしょう。
数十分か数時間の命が幻想的な光景を演出しています。
既に水面は力尽きたカゲロウで真っ白・・
いや〜 これには痛く感動しました。
エレキモーターで静かに滑り出すと、まるでナウシカにでもなったような気分でした。



この他にもたくさんあるのですが、書ききれませんのでこの辺で・・

本流での釣りにちょっと疲れたらワンドで一休み。
食事をしていると白鳥の親子が寄ってきたりします。
物珍しいのか、または分け前のおねだりか・・
白鳥の親子

釣りが終ると大仕事が待っています。
ボートはカートップで運んでいました。
船体から各装備を外し、トランクルームに積み込みます。

最近はこの仕事をすると息切れがするようになっていました。
エンジンなんて女の子をダッコするよりキツイですから・・
(大丈夫です。カミさんは当サイトのurlをご存知ありませんから)

最後に船体をカートップに「エイッ」と上げて、これでおしまい・・


ではないんです。

家に着くと今度は積んだものを全て下ろして、それぞれの格納場所に運ばないといけません。
結構 重労働なんですよねぇ。
歳を追うごとに体は少しずつ辛くなってくるんですけど、精神的には苦にならない・・
それだけ楽しいっていうことなんですよね!


ボートと一緒に帰宅

さて、タイトルにある「結論」がここでやっと出てきます。
今年2008年秋、そんな「サスケ」とお別れすることになりました。
ずーっと迷ってたんです。
名残惜しくて昨年は船検まで通してるんですけどね。


でも、ここ3年間の使用回数は合計でも3回程度でしたし、今年は一度も乗っていません。

置いておけばいつか使うとは思うんですが、それだけのために維持していくには
あまりにも存在感があり過ぎます。
また、他の事情もあり、思い切りました。



サスケの第二の人生(船生)ですが・・
サスケを可愛がってくれる方々のニーズに合わせ、船体やそれぞれの装備を分割し
それぞれについてラブラブ光線を発してくださる方にお譲りすることにしました。

そして当家に足を運んでいただき、見て触っていただいてご納得の上、
お引取りいただきました。

皆様本当に喜んでいただきました。
船体をご覧になられた方ははるばる福島県からお越しいただき、サスケを見るや

「うん うん」

とうなづかれていました。
その上

「エンジンもぜひ・・」

とのことでしたので、つまらぬ交渉無しに一発で契約成立でした。


エレキをご覧に来られた方も品物を見てこちらの提示に何もおっしゃらず契約成立。
その上

「魚探もぜひ・・」

とのことで、これまた納得の調印。
逆にお持ち帰りされた後、お礼のメールまで頂戴してしまいました。


当のわたしが苦労して購入し、好きなことを永く楽しみたいという想いで愛情を注いできた
道具だけに、皆様の満足度もかなりのものだったようです。
自作のエンジンスタンドをご覧ください。
愛の深さを測ることができませんか?

これはこれからこのエンジンを可愛がってくださる方にお預けしました。
マーキュリーが一番居心地のよいスタンドですから。
(一緒に寝てたエレキとはお別れになってしまいますが・・)


このページは「マイルーム」なので、これまで大切に使ってきた道具を、わたしのために
画像として残しておきたいと思います。

マーキュリー シープロ10

シーニンフ12K

魚探 HE-5400

エレキ EF-54

さあ、これからですが・・
サスケがいなくなったとしてもバス釣りができなくなったというわけではないので、
バスは続けようと思います。

しかし、やはりメインは海になります。
海は四季折々の釣り物が多く、また釣り方も多彩ですよね。
どんだけやっても底が見えないんでしょうねぇ。
一旦足を踏み入れたらなかなか出て来れないと思います。
いろいろな釣りをこれからやっていきたいと思いますが、バス釣りもそのひとつです。

釣りに応じていろいろな道具も必要になりますし、全てを保持していくのは現実的には不可能です。
サスケはバス釣りメインでやってた時の道具のひとつと考えれば、今この手から離れるのは
ある意味自然だと思うこともできます。

サスケは、わたしがこれまでよりも圧倒的に広い世界に向かうためのステップとして
十分役割を果たしてくれたと言えます。

サスケ
ありがとう!

そして

さいなら・・


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